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【エロ注意】VRイベント「AVRS」で見えたアダルトVRの限界とこれから

2018/05/11

DMMVRが70万本を突破し、毎月200本近くの新作がリリースされ、一般的な認知もひろがってきたアダルトVR。

その人気を裏付けるかのように、アダルトVRの会や展示会出展者などの有志が集まり企画して開催された「AVRS」。
アダルトVRフェスタ、アダルトVRエキスポに続く新たなVRイベントです。

アダルトのみならず一般的なコンテンツも展示されるなどこれまでにない試みもあり、一線を隠してきた二つのジャンルの垣根を超えるイベントとして期待が高まっていました。

今回は「AVRS」の取材レポート、またそこから見えてきたアダルトVRの未来についてご紹介していきます。

アダルトVRのキーワードは視覚・聴覚から触覚へ

今回のアダルトVRでよく目についたのは、これまでのように視覚や聴覚だけでなく、体への直接的な刺激にもフォーカスしたプロダクトが多かったという点。
臭覚などと合わせて、特にアダルトVR黎明期より叫ばれていた触覚へのアプローチを実現し始めています。

ここからは、編集部が気になった展示をご紹介します。

hara-ueプロジェクト


hara-ueプロジェクトはまさに刺激にフォーカスを当てたVRコンテンツ。

本来は下の画像のように、横に寝そべるVR映像とともに着用したボディーが連動し、女性に踏まれているシチュエーションを楽しむというもの。

ただ今回は会場の関係上、女性がパンチする映像でのデモンストレーションとなりました。

映像との連動がうまくいかず、まだまだ試作機という印象が拭えませんでしたが、発想としてはアダルトVRでの応用の可能性を感じる展示でした。

アダルトのみならず、衝撃を体感するという様々な分野での展開にも期待。
都内でも体験会が開催されるとのことで、今後の動向に注目です。

ホットパワーズ アシハエタ


ホットパワーズは昨年夏のアダルトVRエキスポにも出展しており、匂いで仮想現実をさらに現実に近づけるというユニークなアプローチが印象的な展示でした。

今回は触覚用デバイスとしてさらなる改良を加えたエアピローを展示。
これまでは長くても膝上が主流だったエアピローにむっちりとした足を生やすことで、女性の太もものリアルな感触を再現し、仮想空間でのプレイをより本来のセックスに近い形で再現することを目指したもの。

これまでアダルトグッズというと行為の質を求めるといった、どこか二次的なものというイメージがあります。
しかしアダルトVRはグッズとの相性が良く、『なないちゃんとあそぼ!』などのVRコンテンツでは補助ではなく必需品として機能しています。

こうしたアイデアに富んだプロダクトがさらに増え、アダルトVRのコンテンツ制作に新たなインスピレーションを与えることで、より触覚にフォーカスした作品も出てくるはず。
やはりアダルトVR普及には通常のAVとは一線を画す動きが求められており、グッズとコンテンツの親和性を高めるのは急務なのではないでしょうか。

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既存の人気コンテンツの改良版も多数出展

アダルトVR関連のイベントでは定番の『なないちゃんとあそぼ!』や『カスタムメイド3D2』なども出展。

『カスタムメイド3D2』では背景の変更やカラオケVRの機能追加など改良を加えた最新版を体験することができました。

"なないちゃん"になれる!

特に編集部が注目したのが、『なないちゃんとあそぼ!』のなないちゃんになれるという展示。

なないちゃん目線のバーチャル映像とともに、制服や裸、またパンツ、さらには部屋のシチュエーションなどを変更し、仮想空間のスマホで自撮りを楽しむというカオスなコンテンツ。

はじめは「?」でしたが、体験してみると「なるほど!」と頷くことに。
可愛い女子がなぜ自撮りにあれだけ時間をかけるかということにある程度答えが出せます。


バーチャル内のスマホからの映像。


こちらが現実。

シチュエーションを変えて様々な自撮りをシミュレーションでき、徐々に自撮りの楽しさにハマっていきます。

早稲田治慶氏によるVRビジネスセミナーも開催


AVRSは作品の展示のみならず、イベント内でのセミナーや撮影会などの開催も目玉となっていました。

特にアダルトグッズ開発技術アドバイザーとして活躍する早稲田治慶氏が行なったセミナーは圧巻でした。

その内容をかいつまんでご紹介いたします。

実写VRのあり方に疑問を投げかける

「実写VRは終わるのか」という副題が付けられた今回のビジネスセミナー。

まず衝撃的なスライドから始まります。

早稲田氏によると現在、3DVRとして売られているものには少なからず欠点があるとのこと。
そもそも3DVRの欠点とは何なのでしょうか。

3DVR、3つの嘘

そもそも現在の特にスマホで見られるVRコンテンツは、goproなどの多角カメラに魚眼レンズを装着し、人の目線の高さにそのカメラを置いて撮影しています。
この撮影技法では主に3つの誤解が生まれており、これを早稲田氏は「嘘」という言葉で厳しく指摘しています。

1.180度の3D

よく180度3Dというコピーがありますが、実際に3Dなのは中央の90度程度。

これは実写のアダルトVRコンテンツを扱うメーカーなどはあまり触れない点です。

2.色んな方向に顔を向けて見回せる

こちらも現在の撮影方法だと、カメラの位置は変えることができません。

顔を動かすと目の位置ももちろん動きます。
しかしカメラは固定されているため、実際には目玉が動いているだけ。

技術上は不可能ではないのですが、実際にこの目線を調整している作品は国内では見たことがないとのこと。

3.2Dは偽物、3Dは本物

以上のことからそもそも魚眼ステレオパノラマ自体が偽物のため、これも実は誤解。

本物の3Dか2Dかをあまり気にする必要はないそうです。

実写VRは2020年がタイムリミット

現在すでにNTTやKDDIをはじめ携帯各社がすでに新たな撮影技術の研究を進めています。

2020年の東京オリンピックまでに完成させると宣言しており、急ピッチでプロジェクトを進め、意地でも間に合わせてくるのではないか、と早稲田氏は指摘。

つまりどういうことか。
例えばサッカーのフィールド上で自由に動くことができ、選手の目線でスポーツを楽しむことができるということです。

これまで「できないから」という理由で大目にみられていた様々なVRの欠陥が、2020年には新しい撮影技法により全て解消されます。

ポジティブに捉えれば、これを応用して新たなアダルトVRを撮影すれば良いと思われます。
しかし100〜1000万ほどの初期投資が必要になり、小規模メーカーは参入が難しくなり、現在安価で売られているコンテンツも値上がりも予想されます。

そういった点で現在の実写VRのビジネスは成り立たないというわけです。

すでにフェイスブックなどは実写VRのポジトラに成功


スマホVRの一番の欠点は、端的に言えばオキュラスリフトやHTCViveでできるポジショントラッキングが不可能だという点。
もっと言えば、撮影はできるのですが、それをスマホで再生する手段がないのです。

しかしその欠点をすべて補うVRカメラの開発がフェイスブックなどによってすでに進められているというのも一つの理由だと早稲田氏は述べています。

移動できるVRコンテンツのデモンストレーションもGooglePlayに上がっているなど、その技術は日々進歩しています。

早稲田氏「実写VRの儲かる時期はすでに終わった」

早稲田氏のセミナーで特に気になったのが、DMMVRは実際売れているのかという指摘です。

DMMが昨年11月に本格的にVRコンテンツの配信に乗り出してから約半年。
2017年3月時点で売上70万本を超え、順調な右肩上がりを見せているかに思われます。

しかしアダルトVRに参入するメーカーの増加数に比べ、売上の成長率はそこまで高くない、つまり思ったほど市場は拡大していないということです。

アダルトVRは従来の2Dコンテンツに比べ、撮影に桁違いの工数そして予算が掛かります。

今後技術が発達していくに連れ、いまのままの実写コンテンツが廃れていくことは必至。
いまがバブル絶頂といっても過言ではなく、今後このままでは実写コンテンツのアダルトVRのビジネスは苦境に立たされる可能性が高いのです。

今後のアダルトVRはどうなる?

実写アダルトVRは見ない方がいい?

今回のセミナーに登壇していた早稲田氏のようなクリエイター目線からいくと、確かに現在の実写アダルトVRには誤解や錯誤があることは否めません。

しかし、これは筆者の個人的意見にはなりますが、実際にアダルトVRを楽しむ際には気にしすぎることはないでしょう。
あまり3Dなどを気にせず、
「好きな女優さんが出ているから」
「シチュエーションに萌える」
といった目的であれば十分楽しめるレベルには達しています。

ちょっとマンネリ化も

様々なコンテンツがある中で、現状の限界というものを感じることも多く、まだまだ技術革新が求められていると感じることが多くありました。

もちろんクリエイターは様々な試行錯誤を繰り返し、改良をしていくことで徐々にアダルトVRのコンテンツの魅力は高まってきています。

ただ現状のアダルトVRがVRに親しんでいないユーザー層を取り込めるかというと、まだその段階まではいっていないな、というのが率直な感想です。

可能性もまだまだ秘めている

早稲田氏は講演内で「VRを軸に別のものの購入消費を促進するもの」を儲かりそうなVRコンテンツの一例として挙げていました。
つまりコンテンツに限らず、様々なビジネス的視点を持ちながら、VRによって購入意欲を刺激していくことがVR制作者の進むべき道だということ。

また必ずVRの技術は飛躍的な進化を遂げます。
これは海外の企業の動きを見ても明らかであり、今後その技術が日本に入ってくることで、制作側がそれをアダルトVRにうまく取り込むことができれば、市場をさらに拡大することができるはずです。

とにかくいまはまだ発展途上であり、「アダルトVRは流行らない」と結論づけるのはまだ時期尚早というもの。

今回のAVRSでは500枚のチケットは事前予約で完売しており、依然としてアダルトVRの注目度そして期待度の高さがうかがえます。

今後さらに発展を遂げていくであろうアダルトVR。
バーチャルがリアルを追い越す未来はすぐそこまできているのかもしれません。

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