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【インタビュー】TECH::CAMP VR事業責任者:平田裕哉氏が語るVR教育の行方

2017/04/12

最近、ゲームやアプリをはじめとして、VR対応のコンテンツが多くなってきましたね。

注目度の高いVRですが、コンテンツを購入して使う消費者が一定いる中で、コンテンツを作成するエンジニアはかなり不足しているんです。この状況をご存知の方はどれくらいいるでしょうか?

今回取材に訪れたのは、6,000名以上の卒業生を輩出しているプログラミングスクールTECH::CAMP。未経験から最短1ヶ月でサービスが作れるようになる短期集中型カリキュラムを展開し、学生・社会人を問わず受講者が殺到しているんです。

VRTECHでは、2016年10月15日に開講したVRコースにフォーカスを当てて、当コースの事業責任者である平田裕哉氏にお話を伺ってきました。

日本でいち早くVR教育に取り組んだTECH::CAMPは、どのようなカリキュラムでVRを教え、どんな人材の輩出を目指しているのでしょうか。

【インタビュー】TECH::CAMP VR平田裕哉氏にVR教育の行方を問う

ゲームをつくりながら進める実践的なカリキュラム

-TECH::CAMPでは、もともとWebアプリケーションの開発を教えていたと思いますが、新たにできたVRコースでは、どのようなカリキュラムでVRを教えているのでしょうか?

VRコースでは、完全に初心者の方からエンジニアの方まで、全員が満足できるカリキュラムで学習していきます。

Unity(※1)を使ったことがない人でも簡単に理解できるような画像付きのカリキュラムになっているので、メンターが側にいなくても理解できる内容になっているんです。

そして、学習フローですが、Unityの操作方法をただ教えるだけでは"できる"レベルに到達しないので、ゲームを作りながら実践で学ぶようにしています。

最初は、ブロック崩しゲーム、次にRPGゲーム、最後に3Dのシューティングゲームというように、難易度順に実際に動くゲームをつくってもらいながらUnityを習得していきます。

(※1)Unity:ゲーム開発やバーチャル技術など2D/3D領域の開発に適した開発プラットフォーム
-Unity以外ではVR開発ができないのでしょうか?

Unityが初心者向けでとっつきやすいので当コースではUnityを使用しています。しかし、中上級者向けで、若干高度なUnreal Engineを使う開発方法もあります。

Unityに慣れてきて、Unreal Engineでより発展したものをつくりたいとなった場合でも、学習の基礎にUnityが活きるので、まずはUnityでの開発を推奨しています。

-OculusやHTC Viveなど様々なHMDが出ていますが、開発には何のデバイスを使用しているのでしょうか?

OculusやHTC Viveもカリキュラムで扱っているんですが、かなり発展的な内容になっているので、基本的にスマホでやってもらっています。

受講生が自宅で開発する場合に、OculusやHTC Viveだと簡単に手に入らないので、受講生に一番何を提供したら良いかを考えた結果、誰でも持っているスマホが良いとなりました。

TECH::CAMPメンターが3週間で開発した作品「VRまるおの里」

-平田さん自身はVRのプログラムはしているんですか?

ぼくはどっちかと言うと事業側の人間なので、プログラムすることはあんまりないです。
ただ、コース立ち上げの時に、結局自分が主動となって動かなければならないので、外部顧問も入れて、未経験からUnityを勉強しました。

もともと自分はWebのプログラミングを1年間ほどやっていたので、そんなに詰まることはなくて、強いて詰まるならUnity独自の仕様部分のみでした。Webのプログラミングに比べると、こんな簡単なんだと思ってしまったんですよね。凝ればもっと大変なんだろうけれど、自分でやってしまう分には、簡単に出来てしまいます。

また、VR開発はフロントエンド側(表側)の作業になるんですが、Webのサーバー側(裏側)の知識があれば、より高度な開発が可能になります。

うちのメンターが社内ハッカソンという形で、ゲーム開発をしたんですけど、3週間という短期間で一つのゲームを完成させました。ハッカソンの優勝作品良かったら見てみますか?

-是非見せていただきたいです!

2〜3年はゲームを中心に発展していく

-VRは、業界として、どのような分野で発展していくと考えていますか?

VRに限っていえば、まず、今後2~3年はゲームの分野で発展していくんじゃないかと考えています。というのも、VRは、没入によって非現実を味わうためのものなので、その非現実を味わうために一番相性が良いのは"ゲーム"なんじゃないかと考えています。

そして、ゲームというのも、ただ見るだけではなくて、コントローラーなどを使ったインタラクティブな動作に価値を感じて、消費者自身が体感を求めるようになっていくだろうと考えています。渋谷のゲームセンターでもVRが導入されていますが、ゲームセンターなんかは、間違いなく全てVRに置き換わるだろうなと思っています。

-ドローンとVRを組み合わせる動きありますが、他の技術と合わせて、VRの可能性を広げていくことは今後あり得るでしょうか?

ぼくは、ドローンについてはあまり詳しくないんですが、使い道としてはかなりアツいんじゃないかなと思います。例えば、被災地にドローンをとばして、現場を様子をリアルに見たりとか、ロボットを使って、人命救助に役立てたりと、そういった場面で役立つんじゃないかと思いますし。

あとは、海外の事例なんですが、撮影の方法としてVRを使うのが結構流行っていて。最近ではスターウォーズもVRの技術を使って撮影がされていたんです。今までは、グリーンバックの背景でアクションをして、それを合成でつなぎ合わせていたんですけど、VRだと、そもそもその空間の中でアクションをすれば、そのまま作品になってくれるので撮影工数がめちゃくちゃ減るんです。

CG撮影だと、どうしてもつなぎ合わせた後に、「これ何か違うな」となると、撮り直しが必要になりますが、VR撮影だと、ちょっとした撮り直しが何回もできるようになるんです。

ただ、これは海外で既に使われているので、これからというよりはむしろもう過去の技術かもしれませんが。

VR教育の先に見据えるのはAR産業

-TECH::CAMPでは、今後、VRコースをどのように成長させていくつもりですか?

5年後かそれ以上先にはVRの次の"AR"が来ると予想しています。

ただ、ARが一般に普及するのはまだ時間がかかると考えているので、とりあえず今は、VRでの一点突破を考えています。コースとしても、あと数年は、VRを続けていこうと考えています。

カリキュラムについても、自分たちで開発してきたノウハウがどんどん溜まってきています。今後は、それを随時追加していって、受講生の方々に常に実戦で使える最新の技術を提供していけるように、グレードアップさせていきたいと思っています。

-VRの一番の問題点は普及していない点だと思いますが、今後はどのような取り組みをしていくのでしょう?

VRの体験機会は、もっとつくっていきたいですね。現状、東京でしか盛り上がっていなくて、地方の方はVRっていう言葉自体知っているのかっていう状態。実際に地方からVRコースに来る方もあまりいないんですよ……。受講生はほとんど東京の方だけになっています。

TECH::CAMPは、渋谷、早稲田、福岡、大阪に、校舎を構えていますが、VRコースは、渋谷のみ。今後は、東京を拠点に、反応が良さそうな地方から広めていけたらと考えています。

-現状、問題を抱えているVRですが、その他にVRコースとして抱えている問題はありますか?

VRコース受講生の内訳をみると、社会人が7割、学生が3割となっているんです。当初は学生の受講生が多くなると見込んでいたんですが、蓋を開けてみると、学生の受講生がわりと少ないんです。学生の興味をVRに向けられていないのは課題ですね。

-TECH::CAMPから今後生み出したいのはどんな人材でしょうか?

VRコースとしては、開発ができる人材になっていただきたいですね。VR事業に参入している企業さんですぐにでも働けるような人に。

ただ、それだけでなく、VRの知識をもっているだけでも価値があると思っていて。エンジニアとしてでなくても、プランナー、ディレクターといったポジションとしても活躍していただけたら良いなと思っています。

これまで、プランナーやディレクターの方って、ペーパープロトタイピングといって紙面でのプロトタイピングがある程度できる状態だったんですけど、3Dとか、VRになると、それができなくなりますからね。

そういったときに、Unityが使えなければ、なにもできない辛い状態になると思うので、みなさんが困らないためにも、より会社にとって必要とされる人材になってもらうためにも、VRは知識としてもっていて損はないと思います。

TECH::CAMP


TECH::CAMP | 未経験からサービスをつくることが出来る短期集中プログラミング学習プログラム。
https://tech-camp.in/

TECH::CAMP VRコース | 未経験から1ヶ月でVRアプリケーション・3Dゲームを作れるエンジニアを育成する短期集中学習プログラム。
http://vr.tech-camp.in/

(文責:小山 慧)

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